PAC CAT
〈プロフィール〉
現代美術家。東京在住。
自由な素材・技法選びと様々な暗喩に満ちたコンセプチュアルな表現が特徴。
音楽アーティストの経験も活かし、映像作品においては楽曲制作も手掛ける。
現代美術家。東京在住。
自由な素材・技法選びと様々な暗喩に満ちたコンセプチュアルな表現が特徴。
音楽アーティストの経験も活かし、映像作品においては楽曲制作も手掛ける。
2020年に東京で生活する中でパンデミックから受けた、外出自粛下での特殊なコミュニケーションと、それに伴う主にストレスの感覚を表現するため、それらからインスピレーションを得た作品を独学で制作し始め発表していく。
現在は、この「制限された世界での、不自由の中の自由」という題材から派生して、「世界は複製品の選択と、結合の繰り返しによって拘束され、保護されている」という事象を作品と紐付けて、コピー紙を用いた立体切り絵のような技法で表現している。
〈展示詳細〉
コピー紙及び、ラミネート加工した耐水紙にペイント、プリントしたものを切り貼りして作成しました。
身体を覆う小さな紙のピースは、複製と結合から日々生み出されては捨てられてゆく情報の表現です。
情報のゴミ箱内の無機質で幾何学的な展開図を、小さく切り取ったコピー紙で新たに再現しました。
このデザインは、破棄された使い捨てマスク群がどことなく鎧のように見えたというところから着想を得ています。
それらを無数に結合させ、ボディに絡み合うように纏わせ、一種の拘束衣であり、保護衣でもあるものを形作りました。
物質や概念には、存在するということ自体に過去の情報は必要不可欠であり、自覚が無くとも他の制限された情報の中から選択し、結合させて構築されていく分子のような物だと考えます。
分子は原子が無くては形を成せず、分解不可能な原子が純粋なオリジナルということになりますが、その型の総量は限定されているように思います。
この式から成り立つこの世界を、情報からの拘束、そして保護として1つの作品に表現しました。