浅野克海　谷村メイチンロマーナ　松井祐生
期間限定のスペースとして2022年9月に始まったNACCは、いよいよこの夏、ファイナルを迎える。そのサヨナラ企画展第1段として『サヨナラ！／ The Penultimate Truth 最後から2番目の真実』を後藤繁雄（G/P+abp）のキュレーションのもとに開催いたします。本展の出展作家は3人。浅野克海、谷村メイチンロマーナ、松井祐生という注目の異能アーティストをキャスティング。「サヨナラ」は、「死」や「終結」を連想するかもしれないが、この展覧会に召喚されたアーティスト達は誰よりも「過剰なエネルギー」に満ちている。浅野克海は、この世界も人も全てエネルギー体であると捉え、世界の表面を剥ぎ取ってみせる。終末に向かうエントロピーに待ったをかける。谷村メイチンロマーナの作品は、彼女が妄想するモンスターたちの闘いの物語だ。しかし、そこには物語の全体は無く、シーンはフリーズされたまま。松井祐生の「現代写真」には、この世界の終わりを突き抜けた新たな「モラル」が、「聖なるもの」が生成される。本展のサブタイトル「The Penultimate Truth」つまり「最後から2番目の真実」は、SF作家フィリップ・K・ディックが1964年に書いた予言的な作品タイトルから拝借した。エントロピー増大による熱死に、待ったをかけるアナーキーで悪あがきな様を、皆さまぜひ、ご高覧下さい！